クロールバジェットとは?検索エンジンの目線から解説
検索エンジンは常に進化しており、ユーザーに最新で役立つコンテンツを提供するため、ウェブサイトを効率的にクロールする必要があります。その重要な尺度がクロールバジェットです。
クロールバジェットとは、検索エンジンがウェブサイトを訪問し、ページを分析・収集するためのリソース総量のことです。つまり、検索エンジンが割り当てるクロール能力の上限値を指します。
このバジェットの大きさは、サイトのページ数、更新頻度、コンテンツの重要度によって判断されます。
【大きなクロールバジェットが割り当てられるサイト】
・ページ数が多い
・更新頻度が高い
・価値の高いコンテンツが多数ある
検索エンジンの評価を高め、ユーザビリティを向上するには、このクロールバジェットの動向に注目する必要があります。
なぜクロールバジェットが重要なのか
検索エンジンのGoogleは、私たちのサイトを巡回する「クローラー」を持っています。しかし、クローラーのリソースには限りがあるため、サイトごとに割り当てられる「クロールバジェット」が決められています。
このクロールバジェットが大きいサイトほど、以下のようなメリットが期待できます。
・クロールバジェットが大きいサイトのメリット
・新しいコンテンツが素早く検索に反映される
・重要なページが優先的にクロールされる
・サイト全体の検索順位が上がりやすい
・ユーザーに新鮮な情報を提供できる
一方で、クロールバジェットが小さいサイトは検索エンジンに素早く理解されず、検索露出が遅れがちです。
そのため、特に大規模サイトや更新頻度の高いサイトでは、クロールバジェットを適切に管理・最適化することが大切になります。
クロールバジェットを意識することは、検索エンジンの評価を高め、サイトの集客やブランド力向上に直結するのです。
ページ速度とクロールバジェットの深い関係
サイトのページ速度を改善することは、検索順位を上げるための重要な施策の一つです。その理由が、ページ速度はクロールバジェットに大きな影響を与えるからです。
ページ速度が速ければ、検索エンジンのクローラーは短時間で多くのページを巡回できるため、大きなクロールバジェットが割り当てられやすくなるのです。
一方で読み込みが遅いページが多いと、クローラーの効率が下がり、サイト全体のクロールバジェットが小さくなってしまいます。結果として検索への反映が遅れ、順位が伸び悩むリスクもあります。
つまり、ページ速度を改善することは、検索エンジンに対して「サイトを優先的にクロールしてほしい」とアピールすることにつながるわけです。
画像の圧縮やキャッシュの活用などでページ速度を上げれば、クロールバジェットの最大活用につながり、SEO対策の大きな推進力になるでしょう。ページ速度対策はSEOの隠し球と言えるかもしれません。
ページスピードに関する情報は以下の記事でも取り扱っていますのでご参考にどうぞ
クロールバジェットを最大限活用する方法
検索エンジンのクローラーは限られたリソース(クロールバジェット)の中で、できるだけ多くのページをクロールする必要があります。そのためには、サイトの構造が適切であることが重要なポイントになります。
■理想的なサイト構造とは
・フラットな階層構造(深すぎない)
・ページ間のリンクが適切に設置されている
・URLがシンプルで分かりやすい
このようなフラット&簡潔な構造であれば、クローラーはスムーズにサイト内を移動できます。逆に深い階層やリンクの乱れがあると、クロールの効率が下がってしまいます。
具体的なメリットは以下の通りです。
【理想的な構造のメリット】
・クローラーの移動が効率化される
・重要なページが優先的にクロールされる
・クロールバジェットが無駄なく使える
・新しいコンテンツが素早く検索に反映される
一方で注意が必要なのが、不適切なリダイレクトやURL の重複です。こうしたケースではクローラーの動きが停滞し、バジェットを無駄にしてしまいます。
サイトの価値あるコンテンツをユーザーに届けるためには、検索エンジンの理解を深める構造設計が不可欠です。クロールバジェットを最大限活用し、SEO 効果を最大化するためにも、サイト構造は重要な要素と言えるでしょう。
Googleが公式で推奨!クロールバジェットを最適化する7つの方法
検索エンジンのGoogleは、限られたクロールバジェットを最大限活用するための管理方法を公開しています。以下の7つのポイントを押さえれば、クロールの効率が大幅に向上します。
- サイト構造をフラット化する 深すぎる階層はクロールを遅らせるため、フラットな構造が理想的。
- 適切な内部リンクを設置する 各ページへのリンクが多いほど、クロール対象が広がる。
- ページ速度を改善する 読み込み速度が速いほど、クローラーの効率がアップ。
- URLの重複を避ける 重複したURLはクロールの無駄になるため注意。
- リダイレクトを適正化する 無駄なリダイレクトは省き、効率の良いリダイレクトを設定。
- XMLサイトマップを適切に提供する 最新のXMLサイトマップを提供し、クロールの指針を与える。
- Googleサーチコンソールを活用する 「クロールの統計」等を活用し、クロールの状況を把握。
このようにサイトを最適化することで、クロールバジェットを無駄なく使えるようになります。結果として新しいページが素早く検索に反映され、サイト全体の検索順位の向上が期待できます。
Googleも公式で推奨する重要なポイントですので、サイトオーナーの方は確実に実施することをおすすめします。
サイトのクロール状況を手軽にチェック、Googleサーチコンソールの活用法
クロールバジェットの適切な管理には、サイトに対する検索エンジンのクロール状況を把握することが不可欠です。その確認方法として最も手軽で有効なのが、Googleサーチコンソールを活用することです。
■Googleサーチコンソールでわかること
- 「クロールの統計情報」
- Googlebotによる日々のクロール数
- 平均応答時間
- クロール頻度の設定変更が可能
- 「インデックスのカバレッジ」
- 実際にインデックスされたページ数
- インデックスされなかった理由
- 「クロールエラー」
- サーバーエラーなどのエラー内容の確認
このように、サーチコンソールを使えば検索エンジンの目線で自サイトをクロール分析できます。例えばクロール数が少ない場合は構造の見直しが、応答時間が遅い場合はページ速度改善が必要になるなど、課題を見つけられます。
XMLサイトマップの提出欄もあり、プッシュ型でクロール促すこともできます。
サイトオーナーの方は、Googleサーチコンソールを定期的に確認し、クロールバジェット最適化のための分析や対策を行うことが大切です。無料で利用できるこのツールを上手に活用すれば、SEOの効果が格段に上がるはずです。
まとめ
クロールバジェットとは、検索エンジンがウェブサイトを訪問し、ページを分析・収集するためのリソース総量のことです。サイトのページ数、更新頻度、コンテンツの重要度によって割り当てられるバジェットが変わり、大きいほど新しいコンテンツが素早く検索に反映され、サイト全体の検索順位が上がりやすくなります。
クロールバジェットを最大化するためには、ページ速度を改善してクローラーの効率を上げること、サイト構造をフラットにしてクローラーの移動を円滑にすること、不適切なリダイレクトやURLの重複を排除すること、適切な内部リンクを設置してクロール対象を広げること、Googleサーチコンソールでクロール状況を定期的に確認すること、XMLサイトマップを最新状態に保つことが重要です。検索エンジンの評価を高め、ユーザビリティを向上させるためには、このクロールバジェットの動向に注目し、Googleが公式で推奨する対策を実施することが不可欠です。
