日本時間7月1日夜、Googleが「2025年6月 コアアップデート」の展開を開始しました。今年3月の大規模アップデート以来、約4ヶ月ぶりとなる今回のコアアップデートに、多くのサイト運営者やWeb担当者、マーケターの方が緊張感をもって注目しているのではないでしょうか。
「前回と何が違うのだろう?」 「自分のサイトの順位は大丈夫だろうか…」 「もし順位が落ちたら、すぐに対策すべき?」
このような不安や疑問が次々と浮かんでくるかと思います。
この記事では、そのような方に向けて、今回の「2025年6月 コアアップデート」に関する最新情報はもちろん、過去のアップデートの傾向から見える「順位が下がるサイトの共通点」、そしてアップデート期間中に私たちがとるべき冷静な対応策まで、速報的に、かつ分かりやすく解説します。

Google「2025年6月30日 コアアップデート」の概要
日本時間2025年6月30日 午後11時37分頃、Googleは公式X(旧Twitter)アカウントにて、新たなコアアルゴリズムアップデート「2025年6月 コアアップデート(June 2025 Core Update)」の展開を開始したことを発表しました。

Today we released the June 2025 core update. We’ll update our ranking release history page when the rollout is complete. (本日、2025年6月のコアアップデートをリリースしました。展開が完了次第、ランキングリリース履歴ページを更新します。)

Googleの発表によると、今回のコアアップデートの展開が完了するまでには、通常通り約2週間かかる見込みです。この期間中、検索結果の順位は大きく変動する可能性があります。アップデートの展開が完了すると、Googleの公式な「Google 検索ステータス ダッシュボード」ページが更新されます。
振り返り:大きな転換点となった「2025年3月 コアアップデート」
今回のアップデートを理解するために、まずは前回3月のアップデートがどのようなものだったかを振り返ることが重要です。3月のアップデートは、近年にないほど大規模なものでした。
- ヘルプフルコンテンツシステムのコアシステムへの統合: 「ユーザーにとって役立つコンテンツか」を評価するシステムが、検索順位を決定する根幹の仕組みに完全に組み込まれました。
- 新たなスパムポリシーの強化: 「期限切れドメインの悪用」や「サイト評価の不正利用」など、検索結果の品質を意図的に操作する行為への対策が大幅に強化されました。
このアップデートの目的は、Googleが自ら「検索結果から質の低いコンテンツを40%削減する」と公言した通り、質の低い“検索ハック”的なサイトを淘汰し、ユーザーにとって本当に価値のある情報だけを提供することにありました。
近年のコアアップデートの傾向と順位が下がるサイトの共通点
近年のコアアップデートには一貫した傾向があり、順位が下がるサイトにはいくつかの共通点が見られます。ご自身のサイトが該当しないか、この機会にチェックしてみましょう。
これまでのアップデートの主な傾向
- 「誰が」書いたかの重視: E-E-A-T(特に経験・専門性・信頼性)の指標がますます重要になっています。匿名の情報よりも、著者や監修者が明確な専門家の情報が圧倒的に優遇されます。
- 専門性と網羅性の両立: 浅く広いだけのサイトよりも、特定のテーマに特化し、その中でユーザーが抱くであろうあらゆる疑問に答える、専門的かつ網羅的なサイトが高く評価されます。
- ユーザー体験(UX)への配慮: ページの表示速度(Core Web Vitals)、モバイルでの見やすさ、過剰な広告による閲覧の妨害がないかなど、コンテンツ以外の部分も評価対象に含まれています。
順位が下がりやすいサイトの4つの共通要因
- コンテンツの独自性・付加価値が低い
- 他のサイトの情報をリライトしただけの内容。
- AIで生成した文章を、人間による編集や実体験を加えずにそのまま掲載している。
- 独自のデータや考察、具体的な体験談がなく、ありきたりな情報に終始している。
- E-E-A-Tが欠如している
- 「誰が」運営しているサイトなのか不明確(運営者情報ページの不備)。
- 「誰が」この記事を書いたのか不明確(著者プロフィールの欠如)。
- 特にYMYL(健康やお金など)の領域で、資格を持つ専門家の監修が入っていない。
- サイト全体の品質が低い
- 質の高い記事が数本あっても、サイト内に内容の薄いページや古い情報が大量に放置されている(サイト全体の評価を下げてしまう)。
- サイトの専門テーマと関係のない、雑多なトピックの記事が混在している。
- ユーザー体験を損なっている
- 広告が多すぎたり、コンテンツを覆い隠すように表示されたりして、記事が読みにくい。
- ページの表示が遅い、スマートフォンで見たときにレイアウトが崩れる。
- 検索意図と関係のないアフィリエイトリンクや内部リンクが過剰に設置されている。
アップデート期間中に注意すべき3つのこと
アップデート期間中は、冷静な状況把握が最も重要です。
- 慌ててサイトを修正しない 順位が一時的に下がっても、焦って大幅なサイト修正を行うのは避けましょう。アップデートの展開中は評価が不安定です。まずは静観が基本です。
- アナリティクスとSearch Consoleを注視する 「いつから」「どのページが」「どのように」変動したのかをデータで記録しておくことで、アップデート完了後の正確な分析が可能になります。
- Googleの公式発表を待つ 展開完了のアナウンスや、後日公開されるかもしれないGoogleの公式ブログでの解説を待ちましょう。憶測で動くのは得策ではありません。
【速報的見解】今回のアップデートで予想されること
あくまで現時点での専門的な見解ですが、今回のアップデートは以下の方向性を持つ可能性があります。
- 見解①:3月アップデートの調整・強化(最有力) 前回の大規模アップデートの効果を検証し、その微調整(チューニング)を行うことが主目的である可能性が最も高いと考えられます。
- 見解②:E-E-A-T、特に「経験(Experience)」のさらなる重視 実体験に基づいた、一次情報が豊富なコンテンツと、そうでない一般的なコンテンツとの評価の差が、さらに明確になる可能性があります。
- 見解③:AI生成コンテンツへの評価の深化 AIを単に量産ツールとして使っているサイトと、AIをあくまでアシスタントとして活用し、人間による付加価値をしっかり加えているサイトとを、より精緻に見分ける評価軸が強化されるかもしれません。
まとめ
「2025年6月 コアアップデート」の展開が始まった今、私たちに求められるのは、冷静な状況分析です。日々の順位変動に振り回されることなく、まずは自社サイトの現状をデータで正確に把握しましょう。
そして、どのようなアップデートが来ようとも、評価の根幹にあるのは「ユーザーにとって価値があるか」
という普遍的な指針です。小手先のSEOテクニックに頼るのではなく、今回ご紹介した「順位が下がるサイトの要因」を参考に自社サイトを見直し、ユーザーに真摯に向き合うこと。
その本質的な取り組みの重要性を再確認する機会となるはずです。


