「Webサイトを作ったのに、検索結果に表示されない…」「検索順位がなかなか上がらない…」
もしかしたら、それはクローラビリティに問題があるのかもしれません。
クローラビリティとは、簡単に言うと、検索エンジンのクローラー(ロボット)がWebサイト内をどれだけ巡回しやすいかを表す言葉です。クローラビリティが低いと、せっかく作ったWebサイトが検索エンジンに認識されず、検索結果に表示されない可能性があります。
この記事では、クローラビリティの基本から、SEOへの影響、向上させるための具体的な方法、問題点の特定と解決策、便利なツール、チェックリストまで、あらゆる情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたもクローラビリティをマスターし、WebサイトのSEO効果を最大化できるはずです!
こんな方におすすめ
- Webサイト運営者、Web担当者(初心者~中級者)
- SEO担当者、コンテンツマーケター
- Webデザイナー、Webデベロッパー
この記事で得られること
- クローラビリティの基本を理解できる
- クローラビリティがSEOに与える影響を把握できる
- クローラビリティを向上させるための具体的な方法を実践できる
- JavaScriptサイト、大規模サイトのクローラビリティ対策が分かる

クローラビリティとは? SEOの基礎知識
クローラビリティとは、検索エンジンのクローラー(ロボット)が、Webサイト内をどれだけ効率的に巡回し、情報を収集できるかを表す指標です。
クローラーとは?
クローラー(スパイダー、ボットとも呼ばれる)は、インターネット上を巡回し、Webページの情報を収集するプログラムのことです。Googleのクローラーは「Googlebot」と呼ばれています。
検索エンジンの仕組み
検索エンジンは、以下の3つのステップでWebページを評価し、検索結果に表示します。
- クローリング: クローラーがWebサイトを巡回し、情報を収集する。
- インデクシング: 収集した情報を、検索エンジンのデータベースに登録する。
- ランキング: ユーザーが検索したキーワードに基づいて、データベース内のWebページを評価し、検索結果の順位を決定する。
インデックスとは?
インデックスとは、検索エンジンのデータベースのことです。クローラーが収集したWebページの情報が、整理・保存されています。
クローラビリティとインデックスの関係
クローラビリティが低いと、クローラーがWebサイト内を効率的に巡回できず、一部のページがインデックスされない可能性があります。インデックスされないページは、検索結果に表示されません。
つまり、クローラビリティは、SEO対策の最初のステップであり、非常に重要な要素なのです。
クローラビリティがSEOに与える影響:なぜ重要なのか?
クローラビリティは、SEOに以下のような影響を与えます。
- 検索順位:
- クローラビリティが低いと、Webページがインデックスされず、検索結果に表示されないため、検索順位は上がりません。
- クローラビリティが高いと、Webサイトのすべてのページが適切にインデックスされ、検索エンジンに評価される機会が増えるため、検索順位が上がりやすくなります。
- Webサイトへのトラフィック:
- クローラビリティが低いと、検索結果に表示されるページが少なくなるため、Webサイトへのトラフィックが減少します。
- クローラビリティが高いと、検索結果に表示されるページが増えるため、Webサイトへのトラフィックが増加します。
- 機会損失:
- インデックスされないページは、ユーザーに見つけてもらえないため、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。
- 例えば、ECサイトの商品ページがインデックスされないと、商品の売上が伸び悩む可能性があります。
クローラビリティを低下させる12の落とし穴
クローラビリティを低下させる要因は様々ですが、ここではよくある12個の問題点を、チェックリスト形式でご紹介します。あなたのWebサイトに当てはまるものがないか、確認してみましょう。
技術的な問題
- 階層が深すぎて、目的のページにたどり着けない?
- 問題点: トップページから4階層、5階層と深いページは、クローラーに見つけてもらえない可能性があります。
- SEOへの悪影響: 重要なページがインデックスされず、検索結果に表示されない。
- チェック:
- トップページから主要なページへ、3クリック以内でたどり着けますか?
- サイト構造は、広くて浅いツリー構造になっていますか?
- URLが長すぎ&複雑で、何 గురించి書かれたページか分からない?
- 問題点: 長く、意味不明な文字列のURLは、クローラーにページの内容を伝えにくいだけでなく、ユーザーにも嫌われます。
- SEOへの悪影響: 検索エンジンがページの内容を理解しにくく、適切なキーワードで評価されない。
- チェック:
- URLは短く、簡潔ですか?
- URLに不要なパラメータや記号が含まれていませんか?
- URLにページの内容を表すキーワードが含まれていますか?
- 動的URL(?id=123など)ではなく、静的URL(/example-page/など)を使用していますか?
- 内部リンクが少なくて、クローラーが迷子になってない?
- 問題点: 内部リンクが少ないと、クローラーがWebサイト内を効率的に巡回できず、一部のページが見落とされる可能性があります。
- SEOへの悪影響: 重要なページへのリンクが少なく、検索エンジンからの評価が上がりにくい。
- チェック:
- 各ページから、関連性の高い他のページへ、適切なアンカーテキストでリンクを設置していますか?
- トップページやカテゴリーページなど、重要なページへのリンクを十分に設置していますか?
- リンク切れだらけで、404エラーが頻発してない?
- 問題点: リンク切れ(404エラー)は、クローラーとユーザー両方の体験を損ねます。
- SEOへの悪影響: クローラビリティが低下し、検索順位に悪影響を与える可能性があります。
- チェック:
- リンク切れチェックツールで、定期的にリンク切れがないか確認していますか?
- 404エラーページを適切に設定していますか?
- robots.txtで、大事なページをブロックしてない?
- 問題点: robots.txtの設定ミスは、意図せず重要なページのクロールをブロックしてしまう可能性があります。
- SEOへの悪影響: クロールさせたいページがクロールされず、インデックスされない。
- チェック:
- robots.txtで、クロールさせたいページを誤ってDisallowに指定していませんか?
- XMLサイトマップの場所をSitemapで正しく指定していますか?
- noindexタグで、インデックス不要なページを制御できてる?
- 問題点:誤ったページにnoindexをつけるとクロールに悪影響
- SEOへの悪影響: クロールさせたいページがクロールされず、インデックスされない。
- チェック:
- 重複コンテンツなどインデックス不要なページをnoindexに指定
- canonicalタグで、正規URLを正しく指定できてる?
- 問題点:URLが違うだけで内容が似ているページに設定
- SEOへの悪影響: クロールさせたいページがクロールされず、インデックスされない。
- チェック:
- 重複コンテンツがある場合に、正規URLを正しく指定
- XMLサイトマップを設置・送信してる?
- 問題点: XMLサイトマップがない、または古いと、クローラーがWebサイト内のすべてのページを効率的に発見できなくなる可能性があります。
- SEOへの悪影響: 新しいページや更新されたページが、なかなかインデックスされない。
- チェック:
- XMLサイトマップを定期的に更新していますか?
- XMLサイトマップをGoogle Search Consoleから送信していますか?
- サーバーエラーが頻発して、クローラーを追い返してない?
- 問題点: 500エラー(サーバー内部エラー)などのサーバーエラーは、クローラーのアクセスを妨げます。
- SEOへの悪影響: クロール頻度が低下し、インデックスに時間がかかるようになる。
- チェック:
- Google Search Consoleの「カバレッジ」レポートで、サーバーエラーが発生していないか確認していますか?
- ページの表示が遅すぎて、クローラーもユーザーも逃げ出しちゃう?
- 問題点: ページの表示速度が遅いと、クローラーの巡回効率が低下し、ユーザーの離脱率も高まります。
- SEOへの悪影響: クロール頻度が低下する、ユーザーエクスペリエンスの低下により検索順位が下がる。
- チェック:
- PageSpeed Insightsなどのツールで、ページの表示速度を測定していますか?
- 画像の最適化、JavaScript/CSSの圧縮など、表示速度を改善するための対策を行っていますか?
- スマホ対応してない…?モバイルフレンドリーじゃないと評価ダウン!
- 問題点: モバイルフレンドリーでないWebサイトは、Googleから評価されにくくなっています。
- SEOへの悪影響: モバイル検索での順位が下がる、モバイルユーザーの離脱率が高まる。
- チェック:
- Webサイトはレスポンシブデザインですか?
- Google Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポートで、問題がないか確認していますか?
コンテンツの問題
- 低品質なコンテンツばかりで、クローラーに「価値なし」と判断されてない?
- 問題点: 内容が薄い、独自性がない、誤字脱字が多いなど、低品質なコンテンツは、クローラーに評価されません。
- SEOへの悪影響: 検索順位が上がらない、インデックスから削除される可能性がある。
- チェック:
- コンテンツは、ユーザーの検索意図を満たしていますか?
- 他のWebサイトにはない、独自の情報を掲載していますか?
- 誤字脱字、文法ミスなどはありませんか?
- コピペコンテンツで、ペナルティを受けてない?
- 問題点: 他のWebサイトのコンテンツをコピーしたページは、重複コンテンツとみなされ、ペナルティを受ける可能性があります。
- SEOへの悪影響: 検索順位が大幅に下がる、またはインデックスから削除される。
- チェック:
- 他のWebサイトのコンテンツをコピーしていませんか?
- 引用する場合は、引用元を明記し、引用タグ(blockquote)を適切に使用していますか?
- 情報が古すぎて、クローラーに見捨てられてない?
- 問題点: 情報が古いコンテンツは、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても価値が低く、評価されません。
- SEOへの悪影響: 検索順位が下がる可能性がある。
- チェック:
- コンテンツの内容は最新の情報ですか?
- 定期的にコンテンツを見直し、更新していますか?
コンテンツの問題
- コンテンツの質が低い:
- 情報が薄い
- 独自性がない
- 誤字脱字が多い
- 読みにくい
- 重複コンテンツが多い:
- Webサイト内に同じ内容のページが複数存在する
- コピーコンテンツ
- コンテンツが古い:
- 情報が古く、最新の情報に更新されていない
その他の問題
- JavaScriptの過度な使用:
- クローラーがJavaScriptを解釈できない場合がある
- コンテンツがインデックスされない可能性がある
- Flashの使用(現在は非推奨):
- Flashは多くの検索エンジンでサポートされていない
- コンテンツがインデックスされない
- iFrameの多用:
- iFrame内のコンテンツは、別のWebページとして扱われるため、クローラビリティが低下する可能性がある
- 大量のリダイレクト:
- リダイレクトが多すぎると、クローラーの巡回に時間がかかる
- リダイレクトループが発生すると、クローラーがWebページにアクセスできなくなる
クローラビリティを向上させる12の方法
クローラビリティを向上させるための具体的な方法を、技術的な対策とコンテンツの対策に分けて解説します。
技術的な対策
- Webサイトの構造をシンプルにする:
- 論理的な階層構造: トップページを頂点とし、カテゴリーページ、サブカテゴリーページ、詳細ページと続く、ツリー構造にする。
- 3クリックルール: ユーザーがトップページから目的のページまで、3クリック以内でたどり着けるようにする。
- ナビゲーションの設置: グローバルナビゲーション、パンくずリスト、サイトマップなどを設置し、ユーザーとクローラーがWebサイト内を移動しやすくする。
- URL構造を最適化する:
- 短く、分かりやすいURL: 不要なパラメータや記号を含めない。
- キーワードを含める: URLにターゲットキーワードを含める。(例:example.com/seo-tips)
- ディレクトリ構造を反映する: URLにWebサイトの階層構造を反映させる。(例:example.com/category/article-title)
- 動的URLよりも静的URLを推奨: 動的URL(例:example.com/article?id=123)は、クローラーが解釈しにくい場合がある。
- 内部リンクを最適化する:
- 関連性の高いページ同士をリンクで繋ぐ:
- 記事Aから記事Bへのリンクを設置する際、記事Bの内容に関連するキーワードをアンカーテキストにする。(例:「SEO対策について詳しくはこちら」)
- コンテンツ内の重要なキーワードに、関連ページへのリンクを設置する。
- 適切なアンカーテキストを使用する:
- リンク先のページの内容を表すキーワードを含める。
- 「こちら」「詳細はこちら」などの抽象的な表現は避ける。
- 内部リンクを増やす:
- 各ページから、関連性の高い他のページへのリンクを増やす。
- トップページやカテゴリーページなど、重要なページへのリンクを増やす。
- 関連性の高いページ同士をリンクで繋ぐ:
- リンク切れを修正する:
- リンク切れチェックツール: リンク切れを定期的にチェックし、修正する。(例:Google Search Console、Screaming Frog SEO Spider、Broken Link Checker)
- 404エラーページ: 404エラーページをカスタマイズし、ユーザーに他のページへの誘導を促す。
- robots.txtを適切に設定する:
- robots.txtとは?: クローラーのアクセスを制御するためのテキストファイル。
- 設定方法:
- クローラーにアクセスさせたくないページ(管理画面、会員専用ページなど)をDisallowで指定する。
- クロールさせたいページはAllowで指定する。(省略可)
- XMLサイトマップの場所をSitemapで指定する。
- 注意点: robots.txtの設定を間違えると、重要なページがクロールされなくなる可能性があるため、慎重に設定する。
- noindexタグを適切に使用する:
- noindexタグとは?: 検索エンジンにインデックスさせたくないページに設定するタグ。
- 使用例:
- 重複コンテンツ
- 質の低いコンテンツ
- 検索結果に表示させる必要のないページ(サンクスページ、ログインページなど)
- 注意点: noindexタグを設定したページは、検索結果に表示されなくなるため、慎重に設定する。
- canonicalタグを適切に使用する:
- canonicalタグとは?: 複数のURLでアクセス可能な同一または類似のコンテンツが存在する場合に、正規のURLを検索エンジンに伝えるためのタグ。
- 使用例:
- wwwあり/なしのURL
- パラメータ付きのURL
- 複数のカテゴリーに属する商品ページ
- 注意点: canonicalタグの設定を間違えると、意図しないページが検索結果に表示されなくなる可能性があるため、慎重に設定する。
- XMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleから送信する:
- XMLサイトマップとは?: Webサイトの全ページをリスト化したXMLファイル。
- 作成方法:
- XMLサイトマップ作成ツールを使用する。(例:sitemap.xml Editor)
- WordPressプラグインを使用する。(例:Yoast SEO, All in One SEO Pack)
- 送信方法: Google Search Consoleの「サイトマップ」から送信する。
- 大規模サイトの場合: XMLサイトマップを複数に分割する。
- サーバーエラーを解消する:
- サーバーエラーの種類:
- 500エラー(Internal Server Error):サーバー内部エラー
- 503エラー(Service Unavailable):サービス利用不可
- 確認方法: Google Search Consoleの「カバレッジ」レポートで確認する。
- 対処法: サーバー管理者に問い合わせる、サーバーの設定を見直すなど。
- サーバーエラーの種類:
- ページの表示速度を改善する:
- PageSpeed Insights: Googleが提供する無料のツール。Webページの表示速度を測定し、改善点を提示してくれる。
- 改善策:
- 画像の最適化: 画像サイズを圧縮する、WebPなどの次世代フォーマットを利用する、遅延読み込み(Lazy Loading)を実装する。
- JavaScript/CSSの圧縮・結合: ファイルサイズを小さくする。
- ブラウザキャッシュの活用: 一度読み込んだファイルを再利用する。
- CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用: 世界中のサーバーにコンテンツをキャッシュし、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信する。
- モバイルフレンドリー対応を行う:
- レスポンシブWebデザイン: PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスの画面サイズに合わせて、Webサイトのレイアウトを自動的に調整する。
- モバイルファーストインデックス: Googleは、モバイル版のWebページを優先的にインデックスする。
- Google Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポート: モバイルフレンドリーに関する問題点を確認できる。
- クロールバジェットの最適化: 特に大規模サイトで重要になる考え方です。
- クロールバジェットとは: クローラーが一定期間内にWebサイトをクロールできるページ数の上限のこと
- クロールバジェットを無駄にしないために:
- 不要なURLを削除する
- パラメータ付きURLを正規化
- 低品質なコンテンツを削除またはnoindexにする
- 重要なページを優先的にクロールさせる: XMLサイトマップや内部リンクを最適化する
コンテンツの対策
- 質の高いコンテンツを作成する:
- 独自性: 他のWebサイトにはない、オリジナルの情報を提供する。
- 網羅性: ユーザーの疑問やニーズを網羅的に満たす。
- 正確性: 情報が正確で、信頼できる。
- E-E-A-T: 専門性(Expertise)、経験(Experience)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)を高める。
- 読みやすさ: 文章が分かりやすく、読みやすい。
- 具体例:
- 独自の調査データや分析結果を掲載する
- 専門家の意見やインタビューを掲載する
- 図解や動画を効果的に使用する
- 重複コンテンツを解消する:
- 重複コンテンツとは?: Webサイト内に同じ内容のページが複数存在すること。
- 問題点:
- 検索エンジンがどのページを評価すべきか判断できない。
- 検索順位が下がる可能性がある。
- 対処法:
- 301リダイレクト: 不要なページを正規のページにリダイレクトする。
- canonicalタグ: 正規のURLを指定する。
- noindexタグ: 不要なページをインデックスさせない。
- コンテンツの統合: 複数のページを1つのページにまとめる。
- コンテンツを定期的に更新する:
- 情報の鮮度: 古い情報は、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても価値が低い。
- 更新頻度: 定期的にコンテンツを見直し、最新の情報に更新する。
- 更新履歴の表示: 記事の更新日を表示することで、ユーザーに情報の鮮度を伝えることができる。
主要検索エンジンのクローラーの特性比較
主要な検索エンジンのクローラーの特性を比較し、それぞれのクローラーに最適化するためのポイントを解説します。
検索エンジン | クローラー名 | 主な特徴 | 注意点 |
Googlebot | 世界で最も利用されている検索エンジン。PC版とモバイル版のクローラーがある。JavaScriptの解釈能力が高い。 | モバイルファーストインデックスに対応する必要がある。JavaScriptを多用したWebサイトは、適切にレンダリングされるように対策する必要がある。 | |
Bing | Bingbot | Microsoftが提供する検索エンジン。 | GooglebotほどJavaScriptの解釈能力が高くないため、注意が必要。 |
その他 | DuckDuckBot | プライバシー保護を重視した検索エンジンDuckDuckGoのクローラー。 | |
Baiduspider | 中国最大の検索エンジンBaiduのクローラー。 | 中国語のWebサイトに特化している。 | |
YandexBot | ロシア最大の検索エンジンYandexのクローラー。 | ロシア語のWebサイトに特化している。 |
各クローラーへの対策
- Googlebot:
- モバイルファーストインデックスに対応する。
- JavaScriptを適切にレンダリングできるようにする。(サーバーサイドレンダリング、ダイナミックレンダリングなど)
- 構造化データをマークアップする。
- Google Search Consoleを活用する。
- Bingbot:
- 基本的なSEO対策を行う。
- Bing Webmaster Toolsを活用する。
JavaScriptサイトのクローラビリティ完全ガイド
JavaScriptを多用したWebサイト(SPA:Single Page Application、PWA:Progressive Web Appなど)は、クローラビリティが低くなる傾向があります。
JavaScriptサイトの問題点
- クローラーがJavaScriptを解釈できない場合がある。
- JavaScriptが実行されないと、コンテンツが表示されない場合がある。
- 動的に生成されるコンテンツが、インデックスされない可能性がある。
解決策
- サーバーサイドレンダリング(SSR):
- サーバー側でJavaScriptを実行し、HTMLを生成してクローラーに返す。
- クローラーは、HTMLを解釈してコンテンツをインデックスできる。
- 表示速度が向上するメリットもある。
- ダイナミックレンダリング:
- クローラーに対してはサーバーサイドレンダリングを行い、ユーザーに対してはクライアントサイドレンダリング(通常のJavaScriptの実行)を行う。
- Googleが推奨している方法。
- プリレンダリング:
- 事前にHTMLを生成しておく。
- 表示速度が非常に速くなるメリットがある。
- コンテンツの更新頻度が高いWebサイトには不向き。
- Google Search Consoleの「Fetch as Google」でレンダリングを確認する:
- GooglebotがWebページをどのように認識しているかを確認できる。
- レンダリング結果に問題がないか確認する。
大規模サイト向けクローラビリティ対策
数千、数万ページを超える大規模サイトでは、以下の点に注意してクローラビリティを確保・維持しましょう。
- XMLサイトマップの分割:
- Google Search Consoleでは、1つのサイトマップファイルに含めることができるURLの上限は50,000件。
- 大規模サイトでは、XMLサイトマップを複数に分割する必要がある。
- サイトマップインデックスファイルを作成し、複数のサイトマップファイルをまとめる。
- robots.txtの最適化:
- 不要なページ(検索結果に表示させる必要のないページ)へのクロールをブロックする。
- クロールバジェットを節約する。
- ファセットナビゲーションの制御:
- ファセットナビゲーション(絞り込み検索)で生成されるURLを適切に制御する。
- canonicalタグ、noindexタグ、robots.txtなどを活用する。
- 内部リンクの最適化:
- 重要なページへのリンクを増やす。
- トップページ、カテゴリーページ、主要なランディングページなどへのリンクを強化する。
- クロールバジェットの管理:
- クロールバジェットとは、クローラーが一定期間内にWebサイトをクロールできるページ数の上限のこと。
- 大規模サイトでは、クロールバジェットが不足し、すべてのページがクロールされない可能性がある。
- クロールバジェットを無駄にしないために:
- 不要なURLを削除する。(404エラーページ、重複コンテンツなど)
- パラメータ付きURLを正規化する。(canonicalタグなど)
- 低品質なコンテンツを削除またはnoindexにする。
- 重要なページを優先的にクロールさせるために:
- XMLサイトマップを最適化する。
- 内部リンクを最適化する。
クローラビリティ改善によるSEO効果の測定方法
クローラビリティの改善後、SEO効果を測定し、さらなる改善につなげることが重要です。
- Google Search Consoleの「カバレッジ」レポート:
- クロールエラーの数: クロールエラーが減少しているか確認する。
- インデックスされているページ数: インデックスされているページ数が増加しているか確認する。
- 除外されているページ数: 除外されているページ数(意図的に除外しているページを除く)が減少しているか確認する。
- 検索順位計測ツール:
- キーワードごとの検索順位の推移を確認する。(GRC、Rank Trackerなど)
- 検索順位が向上しているか?
- 上位表示されているキーワードが増加しているか?
- Google Analytics:
- オーガニック検索からのトラフィック(訪問数、セッション数)が増加しているか確認する。
- 直帰率、離脱率、滞在時間、コンバージョン率などが改善されているか確認する。
クローラビリティに関するよくある誤解と注意点
- 「XMLサイトマップを送信すればクローラビリティは完璧」は誤解
- XMLサイトマップは、クローラーにWebサイトの構造を伝えるための補助的な手段にすぎない。
- XMLサイトマップを送信するだけでなく、Webサイトの構造をシンプルにする、内部リンクを最適化するなど、他の対策も行う必要がある。
- 「noindexタグを使えば、クローラーは来なくなる」は誤解
- noindexタグは、検索エンジンにインデックスさせないように指示するタグだが、クローラーの巡回を完全に阻止するものではない。
- クローラーにWebページを巡回させたくない場合は、robots.txtでブロックする必要がある。
- 「robots.txtでブロックすれば、インデックスされなくなる」は誤解
- robots.txtは、クローラーの巡回を制御するためのファイルだが、インデックスを完全に阻止するものではない。
- 他のWebサイトからリンクされている場合など、robots.txtでブロックしてもインデックスされる可能性がある。
- 確実にインデックスさせたくない場合は、noindexタグを使用する。
クローラビリティをチェックするためのツール
- Google Search Console:
- Googleが提供する無料のツール。
- クロールエラー、インデックス状況、サイトマップの送信状況などを確認できる。
- Fetch as Google機能で、GooglebotがWebページをどのように認識しているかを確認できる。
- Screaming Frog SEO Spider:
- Webサイトをクローリングし、サイト構造、内部リンク、メタ情報、エラーなどを分析できるツール。
- 有料だが、高機能で詳細なデータが得られる。
- 無料版もある(クロールできるURL数に制限あり)。
- Ahrefs:
- 被リンク分析、キーワード調査、競合サイト分析など、多機能なSEOツール。
- サイトエクスプローラー機能で、クローラビリティに関する問題点を発見できる。
- Semrush:
- Ahrefsと同様に、多機能なSEOツール。
- サイト監査機能で、クローラビリティに関する問題点を発見できる。
- DeepCrawl:
- 大規模サイト向けのクローラビリティ分析ツール。
クローラビリティチェックリスト
クローラビリティを向上させるための、主要なチェックポイントをまとめました。
チェック項目 | 確認内容 | 対策 |
Webサイトの構造 | 階層構造は論理的か? | 深すぎる階層構造を浅くする。カテゴリー分類を見直し、再編成する。 |
トップページから目的のページまで、3クリック以内でたどり着けるか? | ナビゲーションを見直す。パンくずリストを設置する。 | |
URL構造 | URLは短く、分かりやすく、キーワードを含んでいるか? | 不要なパラメータを削除する。意味のない文字列を削除する。キーワードを含める。 |
ディレクトリ構造を反映しているか? | URLにWebサイトの階層構造を反映させる。 | |
内部リンク | 関連性の高いページ同士がリンクで繋がれているか? | 記事Aから記事Bへのリンクを設置する際、記事Bの内容に関連するキーワードをアンカーテキストにする。(例:「SEO対策について詳しくはこちら」) |
アンカーテキストは適切か?(「こちら」などの抽象的な表現は避ける) | リンク先のページの内容を表すキーワードを含める。 | |
リンク切れ | リンク切れはないか? | リンク切れチェックツールで確認し、修正する。 |
robots.txt | robots.txtの設定は正しいか? | クローラーにアクセスさせたくないページ(管理画面など)をDisallowで指定する。XMLサイトマップの場所をSitemapで指定する。 |
noindexタグ | noindexタグを誤って使用していないか? | 検索結果に表示させる必要のないページ(サンクスページなど)にのみ、noindexタグを設定する。 |
canonicalタグ | canonicalタグを誤って使用していないか? | 重複コンテンツがある場合に、正規のURLを指定する。 |
XMLサイトマップ | XMLサイトマップは作成されているか? | XMLサイトマップ作成ツールを使用する、またはWordPressプラグインを使用する。 |
Google Search Consoleから送信されているか? | Google Search Consoleの「サイトマップ」から送信する。 | |
サーバーエラー | サーバーエラーは発生していないか? | Google Search Consoleの「カバレッジ」レポートで確認する。サーバー管理者に問い合わせる、サーバーの設定を見直すなど。 |
ページの表示速度 | ページの表示速度は速いか? | PageSpeed Insightsで確認し、改善策を実施する。(画像の最適化、JavaScript/CSSの圧縮・結合、ブラウザキャッシュの活用、CDNの利用など) |
モバイルフレンドリー | Webサイトはモバイルフレンドリーに対応しているか? | レスポンシブWebデザインにする。Google Search Consoleの「モバイル ユーザビリティ」レポートで確認する。 |
JavaScript | JavaScriptを多用している場合、クローラーがJavaScriptを解釈できているか? | サーバーサイドレンダリング(SSR)、ダイナミックレンダリング、プリレンダリングなどを検討する。Google Search Consoleの「Fetch as Google」でレンダリングを確認する。 |
クローラビリティに関するよくある質問
- Qクローラビリティは、SEO対策においてどれくらい重要ですか?
- A
クローラビリティは、SEO対策の最初のステップであり、非常に重要です。クローラビリティが低いと、Webページが検索エンジンにインデックスされず、検索結果に表示されないため、他のSEO対策を行っても効果がありません。
- Qクローラビリティの改善は、自分で行うことができますか?
- A
はい、自分で行うことができます。ただし、Webサイトの構造に関する知識や、HTML、CSS、JavaScriptなどの知識が必要になる場合があります。自信がない場合は、専門家に依頼することをおすすめします。
- Qクローラビリティの改善を外注する場合、費用はどれくらいかかりますか?
- A
クローラビリティの改善にかかる費用は、Webサイトの規模や問題点の深刻度によって異なります。数万円で済む場合もあれば、数十万円以上かかる場合もあります。
- Qクローラーは、どのくらいの頻度でWebサイトを巡回しますか?
- A
クローラーの巡回頻度は、Webサイトによって異なります。人気のあるWebサイトや、更新頻度の高いWebサイトは、頻繁に巡回されます。一方、更新頻度の低いWebサイトは、巡回頻度が低くなる傾向があります。
- Qクローラビリティを改善したら、すぐに検索順位は上がりますか?
- A
クローラビリティの改善は、検索順位の向上に繋がる可能性がありますが、すぐに効果が出るとは限りません。検索エンジンのアルゴリズムは複雑であり、クローラビリティ以外の要素も検索順位に影響を与えるため、効果が出るまでには時間がかかる場合があります。
まとめ:クローラビリティを高めて、Webサイトを成長させよう!
クローラビリティは、SEO対策の基礎であり、Webサイトの成長に欠かせない要素です。
この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ自社サイトのクローラビリティを見直し、改善してください。クローラビリティを高めることで、検索エンジンにWebサイトの価値を正しく伝え、検索順位の向上、Webサイトへのトラフィック増加、そしてビジネスの成長につなげましょう!
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